内視鏡挿入形状観測装置を用いた大腸内視鏡検査のセーフティデザイン

“より楽に”検査を受けていただくために

―UPD導入以前と比べて、患者さんは楽そうですか?

用手圧迫もマーカーを見ながらだと、最適な位置を最小限に圧迫するだけで良く患者さんも楽そうです。またUPD の使用によって“この形でこれ以上無理をしてはいけないな”というプロテクトがかかるようになりました。これも患者さんの苦痛軽減に寄与していると思います。
ただ、患者さんの“楽さ”をもう少し突き詰めて言うと、術者の挿入の仕方と内視鏡の相性が大切な気がします。内視鏡には弾性や硬さなど色々な要素がありますよね。やはり自分が使い慣れた内視鏡で施行すると一番苦痛なく挿入できる気がするんです。
UPDの専用スコープには硬度可変機能が付いていて、ある程度自分の好みに調節可能ですが、さらに今使用されているスコープを用いて同等の形状観測ができる挿入形状観測プローブも、オリンパスさんから近々市販されるようなので、使用する人の幅はもっと広がると思いますね。

開業医におけるメリット

―開業施設という視点からメリットはありますか?

X線透視対応の設備が不要に・・・
ご覧の通りうちの内視鏡室のドアはすごく広くとっています。すぐ隣に透視室があって廊下を挟んで丁度この内視鏡室のドアと透視室のドアが向かい合うようになっています。それは何故かというと透視下での内視鏡検査を考えて、内視鏡機材を透視室に移動しやすいように設計したからです。透視室のスペースも内視鏡を置くために広くとって、床には段差もありません。また透視室は当然被曝対応設備の基準に準拠しています。これらの建築には高額な費用がかかったのですが、設計の段階でUPD導入が分かっていれば、こうした費用が削減できたと思います。うちの場合はほぼ建設が終ってからUPDの導入が決まったので、透視下対応のままですが・・・。

芳賀胃腸科内科クリニック

内視鏡室で大腸内視鏡ができるメリット
透視室では被曝防止のためのプロテクターを付けて検査を施行しなければいけませんので非常に疲れます。また透視室まで内視鏡を運んで大腸検査をしているところも結構多いのではないでしょうか。大腸検査を内視鏡室だけでできればこれらの労力は不要となります。また内視鏡機材をその都度透視室に移動すればやはり壊れ易くなりますよね。その辺りでもメリットはあります。
結局、透視下でやるといっても、被曝の関係上ずっと透視し続けられるわけではありません。UPDであればリアルタイムでずっと見ることが可能であり、しかも慣れた内視鏡室だけで済めばそのメリットは大きいでしょう。

大腸内視鏡のビギナーにも有用
勤務医時代に上部や胆道系の専門だったという方で、開業すれば大腸もみる必要があるということで、2ヶ月くらい大腸専門の先生に教わったという開業のパターンであれば、どうしても透視下での確認が必要になると思います。ブラインドだと挿入状態が分からず無理な挿入になりがちで、安全性という面でも問題が出てくる可能性があります。そのような場面ではUPDの機能が有効に作用すると思います。

芳賀胃腸科内科クリニック院長 芳賀陽一先生

UPD導入をご検討されている先生方へのメッセージ

ブラインドに拘ってやってこられた先生方はブラインド゙でやることに思い入れがあると思います。私はTCSを施行するのであればUPDを導入したほうが、医師だけでなく患者さん、さらにスタッフにとってよりメリットがあると考えています。内視鏡の形状が“見えるのと見えないのではどちらが良いか”を考えれば、見えたほうが良いわけですから。
私は日頃“良いものはどんどん取り入れていこう”という考えを持っています。大学等で遺伝子などの研究をしていれば技術の進歩は日進月歩です。新しいもので良いものであれば、それを取り入れてBETTERな方向を目指そうと考えていました。臨床においてもこうした考え方は大切にしたいと思っています。


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